ラムサール条約登録湿地で、地球を旅する鳥たちのサービスエリアである「谷津干潟」にて、はじめての方向けのバードウォッチングツアー第3弾!を行いました。
鳥の解説をお願いしたのは、昨年に引き続き、日本の鳥研究の総本山である『 山階鳥類研究所 』専門員の平岡 考 さんです。
南船橋から徒歩で「谷津干潟」に到着し、さっそく双眼鏡や望遠鏡を駆使して鳥を観察します。『一瞬として同じ景色はない』自然が相手のバードウォッチング。その時のタイミングで出会う鳥たちを平岡さんがわかりやすく丁寧に、時に鳥類図鑑を開きながら解説をしてくださいました。
この日は快晴。干潟にいるオオバン、カワウ、コガモ、オナガガモ、スズガモなどについて、双眼鏡を覗きながら、ノートにメモをします。普段見ているカモの種類の多さや特徴などについての詳しいお話がありました。(撮影:興和オプトロニクス株式会社 及川様)
干潟の反対側の方にはダイサギがいました。すっと立ち、翼を広げたり、首をすくめたり・・。ゆったりとしたその動きは、まるで時の長さが人間と異なるかのような優雅さを感じます。
さらに進むと、カモ類の複数の群れが右往左往するように飛んでいる場面に出会いました。そのような時は猛禽(もうきん)類(タカなど、鋭い爪と嘴を持ち、主に鳥や獣を捕食する鳥の総称)がいることがあるそうです。
さらに進むと、『ツミ』というハトほどの大きさのタカが、とても速いスピードで飛んで行くのを平岡さんが発見しました!ただしこれで水鳥たちが飛び立ったのではないようです。
水面を見たり、空を見上げたり、だんだん忙しくなってきました。
その後はカンムリカイツブリ、アオサギ、ハシビロガモなどを観察しました。オオバンは水面下に潜ってアオサを食べていました。
ダイサギとコサギがたくさんいました。(左写真)一列に並んで泳ぐ姿にほっこりします。
干潟の観察を終え、自然観察センターの遊歩道に入っていきます。カラスやハトなどの一般的な鳥以外にもたくさんの鳥が観察できる静かな林です。(昨年の12月はエナガがいました)どんぐりがいたるところに落ちている自然の豊かさ。なんだかほっとします。
お天気もよく、双眼鏡や望遠鏡も使いながら、ベテラン専門員の解説を聞くバードウォッチング。あっという間の2時間でした。みんなで記念撮影です。
その後、観察センター内のスペースで鳥合わせ(今日見た鳥の確認)をしました。順にお一人一種ずつ、印象に残った鳥の名前をあげていただき、平岡さんが振り返りの解説をされました。
軽食を食べて、ほっとしたひと時。皆さん、お疲れ様でした!
[補足]
前回も掲載しましたが、平岡様が撮影された『貝を丸呑みするスズガモ』を掲載いたします。
「スズガモの名前の由来は、飛ぶときの羽音が鈴の音に似ていることからきている。」ということと「潜水性のカモで、貝類を多く食べるが、貝は丸呑みにし、筋胃(砂嚢、砂肝)という、筋肉が強力で内壁がやすりのように固い胃で貝殻を砕く。」というお話がありました。本当にそんなことができるのか、驚きの声が上がりましたが、平岡さんが撮影した二枚貝を丸呑みにする瞬間をとらえたお写真をいただきました。
- スズガモ(平岡考氏 2014年3月 東京湾)
<ご参加された方の感想:一部抜粋させていただきました>
・鳥の説明が分かりやすく良く理解できました。
・鳥の生態について、もっと勉強したいと思いました。また、鳥だけでなく、その周辺の環境や生態系にも目を向けて、それらを保全する活動にも関わりたいと思いました。
・鳥への熱い思いが伝わり楽しかった。
・鳥の見た目を楽しむだけでなく、それぞれの鳥の個性を知る面白さに気付くことができました。
・平岡先生の控えめながらも鳥類への愛情が感じられる温かい解説に、興味が尽きませんでした。
・バードウォッチングを続けてみたい。
・学びが多かった。
・個人で行くチャンスは少ないと思うので、参加できて良かったです。
またのご参加をお待ちしております!
- 杭に留まっているいるカワウ 興和オプトロニクス(株) 及川様 撮影